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インターンて良いですね
インターン学生の経験日記
在学中に古材木屋さんにインターンされている方のブログです。
しかし、隔世の年ですね。
私が学生の頃には、在学中に会社と関わるシステムはもちろん無く、
バイトか学生スタッフ(モチ無給)ぐらいしか無かったかな〜。
私は学生スタッフでアルバイト/就職雑誌の「○生□護会」とか家電の「サ○ヨー」で、
リサーリ開発スタッフをやったぐらいですね。
それも学生相手のマーケットリサーチを肩代わりしたぐらい。
当時は学生起業がはやっていたので、ステップにする人が多かったけど、
私は単純に興味本位でやってました。

でも、物事の動きとか決まり方が目の前で展開されるので、
正しい事が全て実行される訳でもなく、
明確な理由があって選択される事が多い訳でもない事がよく分かって、
就職後にすごく役に立ったと感じています。

このぐらい前のめりな学生さんだと、きっと社会に出ても良い仕事するでしょうね〜

あと、古材利用について。
基本的には大いに賛成です。
が、一部の関わっている方の姿勢に疑問を感じる事があります。
これは民家再生などに限った事ではないのですが、
自分の経験と「先人の知恵」を混同されている方もいらっしゃるように感じます。

再生/改装物件にはいくつか関わらせて頂きましたが、
構造的に現代の要求性能に追いつかない事が明確な事を、
施主の了解無しに実行した上に、施主からクレームを受けて、
「素人にはわからね〜んだよ!!」
と吐き捨てて聞く耳を持たない伝統工法の大工さん。
これでは、せっかくの先人の知恵を地に落としているのと同じ。

貫や仕口を駆使して、粘り強い木造建築を構築できる技術は、
世界的に見ても特筆するものだと思います。
私の知り合いの構造家や国交省の方でも、
その辺りを理解して、実験データをもとにして仕様規定として
公に使えるものする事に尽力されている方もたくさんいらっしゃいます。
(貫工法や木格子耐力壁が今仕様規定として成立しています)
上記の大工さんは、このような方々の努力を一瞬にして無にしてしまう仕事になる可能性がある事を自覚して頂きたいともおもいます。

また、無垢の木を使って家を建てると、
必ず数年間は木の割れによる「ぴしっ」というようなラップ音に似た音がする。
乾燥までにビミョウに建物が動くこと。
そのために建具の隙ができたり、壁の仕上げにひび割れが入る事もあること。
この事をお施主さんに理解して頂く必要があります。

断熱や気密の仕様にしても同様。
立地する地域の気候によって必要とされる断熱・気密仕様は違います。
東北の雪の降るところで、西日本の断熱・気密仕様を真似たら、
今のお施主さんには命に関わる事もあります。
同じように、基本的に南の国に北海道並みの気密仕様は必要ありません。
(使用する断熱材と施工方法によっても違います。断熱は屋根断熱は必要ですが)
却って気密を必要以上にあげる事によって、
自然換気が妨げられる可能性が大きく、
百害あって一利無しの場合も考えられます。

要は、「不動」産な訳ですから、
根っこをはやす「土地」にあったものを建てる知恵と工夫が必ず必要で、
結構な部分までは性能によってシミュレーションができるようになっています。

現代の技術と、先人の知恵をうまく融合させる事が、
設計者には求められている職能ではないかと感じますね〜
by kametatu | 2005-10-16 00:23
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住宅設計者の端くれが、日々あれこれあることを、思ったままに書き連ねまし。

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