人気ブログランキング | 話題のタグを見る
「星のや」 ってこんなところ Part3 by かみさん
今回の旅行は、kametatu
「だんな、お疲れご褒美」の旅です。




去年の「かみさん、お疲れご褒美」 in 沖縄
でアロマオイルを使ったリンパマッサージコースを
夫婦で初めて堪能し、その気持ちよさにハマった旦那は
今回も早速マッサージを予約。

【マッサージ・スパ  一止(いっし)】

チョイスは3コース。
そのうちのスポーツとタイ式が可能と言う事で
だんながスポーツマッサージ
かみさんはタイ式マッサージ

ショップを訪ねるとテーブルに案内され
お姉さんによるアンケート&インタビュー。
疲れのたまりやすいところや
触られると不快なカ所を聞かれ
好みのお香を選ぶ。

そこで、マッサージをしてくれる人が
男性と知らされる。
通常は宿泊している部屋に
マッサージの種類や担当者の案内があるはずなのだが
それが私たちの部屋には無かった。

まぁいい。
私はタイ式マッサージは初めてだし
若い女性より男性の方が
何となく本格的な気がするし
効果がある様な気がする(偏見か?)

施術の部屋はショップとは別の離れになっていて
マッサージのお兄さんに連れられて部屋に入る。
さっき選んだお香が、すでに焚かれていていい香りがする。

広いフローリングにマットがひかれていた。
こちらに着替えてくださいと渡されたのは
コットンのパジャマの様なもの。
パウダールームで着替え部屋に戻ると
お兄さんがマットの横で座って待っている。

お姉さんに素敵な事をしてもらう男の気持ちは
こんな感じなのかな?
と不謹慎にも想像してしまうのは、部屋がものすごくムーディーなせいか?

足裏のマッサージから始まり
リンパの流れに沿ってサッサージが行われ
あわせてストレッチができる内容。
結果的には、体がほぐれて温かくなって施術そのものは満足だった。

ただ、部屋が暖房で乾燥している上に
ずっとお香が焚かれていたので、最後には喉が痛くなった。
冬の施術はお香でなく、加湿器付きのアロマかなにかがよいのでは?

リラックスさせるのが目的で、あまりお客と話をしない様にしているのだろうが
要所でマッサージの効能の説明なんかがあってもいいのではないか?


【メディテイションバス】

大浴場とは別に、「一止」に併設するように「メディテイションバス」があったので
マッサージでほぐれたついでに、ゆったりとできるかなと思いそちらへ。
メディテイションと言うからには一人静かにお湯に横たわって
瞑想でもできるのかいな? と入っていくと
ブースで区切られた洗い場が3つ程あり、その先に湯船があった。

全体的にほの暗く、人も少ないので
どこか落ち着ける場所を探すが、ただただ四角い浴槽でおもしろくない。

ふと見ると、浴槽から通路が見える。
天井が低くなっていて、奥に部屋がある様子。
温泉地に行くと、たまにある「洞窟風呂」の様な感じ。

通路を通って奥の空間に入ると
お寺の鐘の音が聞こえてきた。
ご〜〜〜ん……ごぼごぼごぼ……
ん?
洞窟状の空間に響き渡る排水の音……ごぼごぼごぼ……
すみませーん。排水の目皿替えてください。

一人きりの洞窟の様な空間で
ゆったりと瞑想……ごぼごぼごぼ……
湯量は立って腰高、座るところは無い。
……ごぼごぼごぼ……

多分10分もお湯に浸かっていなかったと思う。


【再び朝の嘉助(メインダイニングにての朝食)】

建物に入った瞬間、焼き魚の匂い。
それぞれのテーブルに小さな七輪が運ばれて
自分で魚を焼くシステムらしい。
小皿にシバ漬けとちりめん山椒、梅干しが出され
小さなみりん干しとメザシが出てきた。
魚をあぶりながら、他の小鉢をつまむ。
メザシは一度軽く炙られていたのか?
焼き上がったと思って食べてみたら、水分が抜けきって
かちかちで噛み切れない。
メザシは一気食いした。

もう、お腹いっぱいなのに「焙烙(ほうろく)蒸し」が登場。
白身の魚と大根などの野菜が入っている。
蒸気で水っぽくなった魚と味のうすい温野菜はポン酢で。
順序が逆でしょ。

味のしっかりしたみりん干しとメザシのあとに
こんなあっさりしたもの出したら、味気ない。
多分最初に食べていれば、魚もみずみずしく感じ、
野菜も素材の味を楽しめたのかもしれないが、
今となっては、タダの茹で野菜を「焙烙蒸し」というかたちで
体裁を整えただけに感じてしまう。

翌日の朝は、最初の時点で焙烙蒸しを断り
その代わり、御飯をお代わりして
初日の朝満腹でたどり着かなかったちりめん山椒で…
と思ったら。

あぁ、これもかぴかぴだ。
きっとみんな、おかずの多さにここまでたどり着けないんだろう。
テーブルと冷蔵庫を何度も行ったり来たりして
水分が抜けきってる。
山椒の香りもしない。

冬はね、朝体を温めるものが欲しいです。
「白粥にお漬け物、青菜の煮浸し」
とか
「五穀米に根菜たっぷりのみそ汁、漬け物、温泉卵」
そんなもので十分です。


【村民食堂】

ここは宿泊客以外も利用できるカジュアルなレストラン(というか居酒屋?)
雰囲気もまあまあだし、リーズナブル。
なにより食事がごく普通で、無理が無い。

うちは普段、野菜を宅配してもらっているので食事の中心は野菜。
夏は葉物やキュウリ、トマトなど。
冬は人参、レンコン、ごぼうなどの根菜中心の食生活。

旅行に行くといつも感じるのが「野菜不足」
それは今回も同じだったので、たのんだメニューは
野菜炒め、サラダ、おこげの野菜あんかけなどなど。
普通にお野菜を家庭で食べる感覚の料理が並んだ。
きっと私たちが「庶民」のせいもあるだろうが、「ほっ」とする。


【チェックアウト】

レセプションのある場所は「嘉助」と一緒の建物。
身支度を整えてコートを羽織り、建物に入ると
その瞬間「焼き魚」の匂いがする。
そう、メインダイニング「嘉助」の横を通らなければ
レセプションに到着しない。
「嘉助」の朝食は12時までやっているのだ。
長期滞在者にとって、それはとても嬉しい事だと思うが
シーンが代われば同じ場面も受け取り方が変わる。

お腹をすかせた朝食前の焼き魚の匂いは食欲をそそるが、
帰り際に焼き魚の匂いに包まれながら立ち去らなければならないのは
何とも興ざめでした。
レセプションのハイカウンターの後ろは大きなガラス窓になっていて
棚田風の綺麗な庭が見渡せる。
横のメインダイニングはひな壇状の大空間にルイスポールセンの照明。
でも焼き魚の匂い……


【満足度65点】

とても良い雰囲気の宿でした。
だけど、いろんなところが「おしい」のはなぜか?
一つ一つはとても吟味され良い素材を使っている様なのだが
いろんなところのちぐはぐさがとても「おしい」

昔懐かしい日本の原風景の様な谷あいの村の風体。
プライバシーに入り込んでこないスタッフの適度な態度とサービス内容。
でも、食事の内容や提供の方法は従来の温泉宿と変わりがない。
どっち付かずの感じが中途半端で「星のや」という空間で
どう振る舞っていいのかつかめない居心地の悪さ。
何を提供したいのか雰囲気をつかみきれず、楽しみきれなかった。

お年寄りも含めた家族連れも
お子さん連れのご夫婦も何組か見えたが
はっきり言って自分達の両親を連れて来たいとは思わなかった。
託児所もあったが小さな子供を連れてくる所ではないと思った。

昔懐かしい日本の原風景の様な谷あいの村には
お年寄りも小さな子供も、共に笑って過ごせる空気があったはず。
それが感じられなかった。

「星のや」のコンセプトはどこにあるのか?
非日常の中の日常を感じるために。
山村に暮らすように泊まる。

誰をも受け入れる様子をしながら
それは、ごく限られた年齢層の大人のための空間。

日本社会も含めて、リゾート全般に欠けているものがよく分かった旅だった。
「ユニバーサル」ですよ。これからは。
by kametatu | 2005-12-05 00:14 | たび
<< 生協の白石さん 設計とは >>



住宅設計者の端くれが、日々あれこれあることを、思ったままに書き連ねまし。

by kametatu
カテゴリ
お気に入りリンク
フォロー中のブログ
以前の記事
最新のトラックバック
ライフログ
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
アクセス解析